ソウキチ

メタモルフォーゼの縁側のソウキチのレビュー・感想・評価

メタモルフォーゼの縁側(2022年製作の映画)
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一言にオタクと言ったってSNSを見れば上には上がいることを思い知って自分の無知に嫌気がさし、「何が好きかで自分を語れよ」と言う漫画のセリフがバズってしまうくらい趣味がアクセサリーとなり実績解除のツールとなり、時にはマウンティングのための武器となり…軽はずみに「好き」を言いづらくなった現代。

「好き」ってもっと衝動的でいいんじゃないの?
何より最初のその気持ちをこそ一番大切にすべきもんでは?
とこの映画は教えてくれます。

自分が日陰でずっと愛し続けてきたBLをクラスの人気者が一瞬でブームにしてしまったあとに芦田愛菜の口から出る「ずるい」という言葉と自己嫌悪に深く頷きつつ、バイアスなしでただ素直にボーイズラブにはしゃぐ宮本信子の尊さの対比にやられました。

BL物だからnot for meと思うなかれ、「何かを好き」な人には漏れなく刺さると思います。

あと芦田プロのオタクっぽい身体の演技がさすがでした。
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