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メタモルフォーゼの縁側のpenのネタバレレビュー・内容・結末

メタモルフォーゼの縁側(2022年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

漫画家のコメダがアシスタントの人から「先生はどうして漫画を描くように?」と尋ねられ、その答えを話す声と共に、部屋で漫画を読むうららの映像がインサートされる。その後、うららは漫画を本格的に描くようになっていき、窓に貼り付けて透かした原稿を写し書きしていると、「わたしも昔それをやった」と雪が懐かしむ。そして過去の自分を回想する。その時に出てくる若い頃の雪の後ろ姿は、現在のうららの背中と瓜二つ。

それらの編集や画面構成によって、コメダはうららにとっての未来を示唆し、その逆にコメダと雪はかつてうららのような過去であったことを描いているように感じられた。
物語の中心にいる登場人物同士は当たり前ながら同じ時間の中で生きているが、構成上、それぞれは互いの過去であり、同時に未来でもあることを暗示する関係性の人物配置がとても良くてツボ。

物語の障壁がコミケ、試練がコミティアになる映画を初めて観た。原作があるとはいえ新鮮。
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