シノ

メタモルフォーゼの縁側のシノのレビュー・感想・評価

メタモルフォーゼの縁側(2022年製作の映画)
3.8
原作持ってて好きなので観に行きました。漫画原作の映画化は大体微妙な事も多いんですが、これはとても良かった。なんて可愛い映画なんだ!
2時間の尺にする為に大幅に(だけどスムーズな)脚本の改変があったけどそれがとても上手。駆け足じゃなくしっかり描写の間が取られていました。

うららのあの味わい深さを、芦田愛菜さんが演じるには可愛すぎないか…?いやうららも可愛いんだけど!みたいに少し身構えて行ったらめちゃくちゃ上手い。
首が少し前に出た姿勢の悪さ、服のヨレのリアルさ、走り方の小ダサさ、目の泳ぎ方、良い…!
となると紡のドラマドラマした演技の大袈裟感が少しくどく感じてしまう位、ナチュラルで良かったです。(それでも口に出すセリフにしなくてモノローグでもいい、なんなら無しでもちゃんと伝わるよ〜言わなくてもいいよ〜って部分もありました、漫画的やね…)

エリちゃんが屈託なくBLを友達と楽しむ様子を見てずるいと思ったり、少し嫌味を言ってしまったり、初めてつけペンを使って興奮したり、嬉しいと顔より小走りに出てしまったり、若い瑞々しさと痛々しさが中年には刺さりました。

雪さんの終活を察知して微妙な気持ちになっても健康体10代のうららには本当の意味では理解できない、年齢だけでなくあまりにも色々が違うから、だからこそ趣味で純粋に繋がれた事が尊いね。

BLというセンシティブな趣味をテーマに据えることで、原作には無いエリちゃん達が隠さずワイワイする感じや、紡が何故かコミティアにうららが出るのを知ってて来るとか(そして買うとか)、微妙に危ういな〜と思う所はあるんですがまあ許容範囲。エンディング曲めちゃくちゃ最高でした、漫画また読み返そう〜。
シノ

シノ