どらどら

メタモルフォーゼの縁側のどらどらのレビュー・感想・評価

メタモルフォーゼの縁側(2022年製作の映画)
4.7
「この漫画のおかげでわたしたち友達になったんです」

「好き」からはじまった出会い
自信の欠落した少女に確かな勇気を
孤独な老人にワクワクを
そして年齢も立場も超えた友情をふたりに
その「好き」はもたらした

好きなものが共有できる喜び
好きなものがあることは時に人生の道標になり
そして時に心の支えになること

雪さんがうららに伝えたバトンは
たしかに観客にも渡された
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自分の好きなものが自分の内面に深く結びついているという自覚があるので、それを他人に明かすのが僕は苦手だ
好きな映画も本も漫画も音楽も、いっつも本当に一番好きなものではなく多くの人が知ってそうで癖のなさそうなものを選んでしまう
そしてその感覚が間違っているとも思わない
だから、うららの気持ちがすごくわかる
屈託なくそれを友人と語り合う人たちに嫉妬とかすかな軽蔑を持ってしまう
そしてそんな自分に嫌悪感を覚える
自分だけ、上手く生きられないような感覚

さらにうららに別に才能はない
でもその想いは、たしかに本当に届けたい人に届いた
その想いの深さゆえに

うららが一歩踏み出し、新しく知ることができた世界
それを一緒に体験できる、とても素敵な映画だ

自信のない内気な少女をここまで完璧に演じられる芦田愛菜とは何者なのか
どらどら

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