原作未読で鑑賞しました。
登場するキャラ、シーン、ストーリーいずれも無駄のない映像作品だと思いました。特に気に入っているのは会話のない時間もしっかりと撮っているところで、それぞれのキャラクターの逡巡や表情、日常的な振る舞いからキャラクター像が自然に理解出来るようになっています。映画後半で主人公たちが電話をするシーンがあるのですが、一方だけのセリフ、描写しか出てこないのにも関わらず、もう一方がどんな言葉を、どんな話し方で伝えているのか何となくイメージ出来るところがこの作品のすごいところだな、と思います。
ストーリーも演出もそれほど目新しい部分はないと感じたのですが、その分それぞれのシーンにこだわりやメッセージが込められており、さらにそれが作品の温かみの邪魔をしない、押し付けがましくないように編集されているところは感嘆の１言につきます。
