「この世の中は繊細さのないところだよ。でもたまにわかってくれることがある。」
元々期待していた作品だったけれど、それをはるかに超える作品だった!
天才と言われるアニメ監督の王子(中村倫也)と王子の作品を見て公務員から転職しアニメ監督となった努力型の斎藤(吉岡里帆)。2人が他局の同時間帯放送のアニメの監督を務めることになり、覇権アニメを生み出すべく葛藤する物語。
私はアニメ制作にそこまで詳しく無かったので、1つのアニメが出来上がるまでに本当に多くの工程と多くの人が関わっていることを初めて知ったし、監督がそれぞれの工程に関わっていて監督の一手で全てが決まる反面、制作の都合でその一手が打てないこともあるということを知った。
それぞれのアニメ監督を支えるプロデューサーを演じる尾野真知子と柄本佑も秀逸。
作品全体の進行を見ながら厳しい意見も出しつつ監督の意向を限界まで汲んで良い作品にする為に尽力する姿が良く描かれていた。
アニメは確かに二次元で非現実な部分があるけれどそのアニメを見て魔法にかかり現実の生きる糧にしてくれる視聴者がいる。そんな視聴者を作りたいともがく製作陣の姿がキラキラ輝くお仕事ドラマ。
最後のエンドロールではこの映画を作る人たちもこんな風に誰かに作品を届ける為に尽力していたのかと思わず見入ってしまった。