TaiRa

ハケンアニメ!のTaiRaのレビュー・感想・評価

ハケンアニメ!(2022年製作の映画)
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働き方改革がなんぼのもんじゃい!なクリエイティブ・ロマンス。

アニメ業界モノにせず、新人対天才のスポ根バトルに振り切ったのが良かった。リアリズムで描かない分、フィクション性のバランスは問われるが、その辺は上手くやったと思う。アニメ作りの詳細を基本すっ飛ばすので嘘も付きやすい。そこが大事じゃないとも伝わるし。芝居の塩梅から映像の作り方まで、良い具合に作為的。キャラ立ちさせつつも人間らしさは損なわず、抑えるとこは抑える。大事なとこは台詞使わないなど。主要4人の描き込みもやってるし時間配分も良い。ウェルメイドなメジャー映画って感じ。真実味って意味では、作ってるアニメがちゃんと面白そうに見えるのも大きい。それぞれ監督とスタッフ立てて、企画からちゃんと作ってる労力が伝わる。本編含めて3本分の内容作ってるのは立派。ドラマとしては古風とも言える熱量と気合い押しみたいな側面もあるが、潮流と逆行するのは全然アリ。これはロマンだから。かつての私のような誰かに届けたい、というクリエイターのロマンが中核にあってブレないから。面白いのは、今作自体が劇中で言及されるような、多くに理解されなくても長く愛される様な作品になったこと。細く長くロングランするような興行で予算回収の目処が立つのか分からんが、少なくともファンはいるし長い目で見れば勝ちだと思う。
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