敬遠しているタイプの邦画だと思っていたけど、なんとなく機運が高まったので視聴したものの、やはり自分向けではなかった。
アニメ制作群像劇ながら、「ハケン」を獲ることをゴールに据えることで、狭義の制作現場の外で作品が商品化され作り上げられていく……なかでの、作品至上主義と市場主義の揺れ動きは分かるし、監督対決を軸にすることでバトルものとしての作劇要素を入れるのは分かる……が、アニメ制作の現場を撮らないのはどうなのだろうか。
ドキュメンタリーではなくドラマを撮らなきゃいけないのは分かるが、それならアニメ制作を題材にする必要性はどこまであるのだろうか。
（そもそも「ハケン」争いを、テレビの放送枠間の視聴率を大きな指標にしていることがかなり厳しく感じる）
また、作中でのいかにもな引用は、オマージュというにはお粗末で恥ずかしいし、アニメ表現の取り入れも単調だし補足的でしかない（なにより、残念ながら、劇中作があまり魅力的に思えない）。
そうしたアニメへの態度は、アニメ的なクリシェである「走る姿」を印象的な場面で使いながらも、直後に茶化すつくり（閉店とボクシング）に凝縮されてるように思える。
ところで、現在のアニメ視聴者層って、どれだけ監督を重視しているのだろうか。
宮崎駿や庵野秀明、新海誠らであれば注目されるだろうけど、テレビシリーズにかんしては制作会社の方が着目されるのではないか。
