Mariko

アウトフィットのMarikoのレビュー・感想・評価

アウトフィット(2022年製作の映画)
5.0
度々書いているように、マーク・ライランスの大ファンである。
ただ最近、「ちょっと気持ち悪いひと癖も二癖もある老人」役で名優ぶりを発揮してくれちゃうことが多いのを憂いていたので、今作は拍手喝采!(今回も二癖どころか三癖くらいあるけど笑)

冒頭の、チャコと裁ち鋏を巧みに使いながら語る落ち着いたモノローグから、あれよあれよという間にフィルムノワールの趣が強くなっていく渋いワンシチュエーションもの。

ビスポークの紳士服店内だけで完結する、登場人物もごく限られた舞台劇のような構成。
序盤のとある展開で、このSaville Rowあがりの老いたEnglish(作中でそう呼ばれる)がタダの仕立て屋(tailor)ではなかろうことは明確に提示されてはいるのだけど、ここからの見せ方がマーク・ライランスの真骨頂というかなんというか。

音楽は、これまたハズレなしのアレクサンドラ・デスプラ。
濃密な105分、新年早々物凄くいいもの観た感でいっぱい、大満足。
Mariko

Mariko