ギャングが牛耳る街シカゴで仕立て屋を営むレナードの、静かにしなやかに裏社会と線を引いてきた日常がある日突然狂い出す…
刻々と状況が悪化していくテーラー内で上品さを失わず、その都度新たな顔を覗かせるマーク・ライランスの深みのある演技は高級スーツの如くwその着心地に酔いしれた。
ギャングの情報交換場としても機能しているテーラー内で抗争に巻き込まれていく仕立て屋…否、裁断師。
線引きから裁断、縫製に至るまで全ての工程を正確に重ねてこそ追求できる〝完璧〟を冒頭の仕事ぶりで描きながら、物語も仕立てていく。
そんな職人技でトラブルに対処していく展開、優雅なサスペンスに見惚れた！
舞台はテーラー内のみで登場人物も少なく、もちろん銃撃戦なんてない小ぢんまりしたサスペンスではあるけど、余白を巧く使いながら会話劇で層を重ねていき感情的な物語にも繋げるスムーズな展開が気持ち良い！
そしてそんな物語に映えまくるライランスの魅惑的な存在感からも目が離せない。
知的なのに可愛げのある絶妙なバランスがめちゃ素敵でした！
