掘り出し物の一本。
日本未公開ということだが、こんな作品を公開できない日本って・・・・
と思ってしまう。
練られた脚本に、マークの見事な演技。それに緊張感を高める良い演出と、観応えのある作品だ。
一応すべてが狭い店内で起こるので、ワンシチュエーション作品と分類されているが、まるで良質の舞台を見ているような内容で、奥行きがあり、私など見終わってから「あれ、店内から出ていないなぁ」とあらためて気づくぐらい起伏のある良い脚本。
そして、マークの名演も手伝って、主人公の老人が実に魅力的。
おまけにラストで明かされる過去で、一層魅力アップの良きキャラクター。
ワンシチュエーションで水増し感のあるシークエンスが無いのも驚きだ。
ラストまでぎゅっと詰まった密度の濃いドラマが楽しめる良作。
余談。
ホント、個人的な趣向なのだが・・・・
ラスト、腕の刺青を見せてからが物足りない。
本作だと「善人になりたい」という気持ちとの葛藤が前面に出ていて、はさみでひと突き、の後の躊躇など人間味が色濃く見える。
個人的には、入れ墨を見せた後は、悪人を相手に無双してほしかったな。
躊躇せずに、一発で倒して、後ろも振り返らず静かに出ていく・・・
とかだと、一層テンションが上がった。
