仕立て屋のおじいさんが、身内に裏切り者がいると信じるマフィアの抗争に巻き込まれてしまう話だが、中盤あたりから彼のマフィア達との会話の仕方に違和感を感じ始める。飄々とした彼の物腰や、会話でマフィアを仲違いさせるような動きから、彼が曲者であることは分かるが、全貌は終盤まで見えない。
地味な序盤から鑑賞者に対してヒントをいくつも出しているのだが、最後の謎解き段階になるまで誰が裏切り者の密告者なのかは気付けなかった。見事な伏線回収とどんでん返しだった。
仕立て屋の店の中だけで起きることなのに、疑心暗鬼を誘う会話の妙、マフィアに銃で撃たれかねない緊迫感などで中盤からはハラハラしっぱなしで退屈しなかった。
