のんchan

ふたりの女、ひとつの宿命ののんchanのレビュー・感想・評価

ふたりの女、ひとつの宿命(1980年製作の映画)
4.0
メーサーロシュ・マールタ監督作品鑑賞5本目、とりあえずコンプリート。

イザベル・ユペール(当時26歳)は昔から多くの国の監督とコラボし続けているが、自身の初期作品の中でも重要作と位置付けているらしい。
マールタ監督常連女優リリ・モノリ(当時34歳)とダブル主演。

女性だからこその宿命。
子供が欲しい女と将来を自由に生きたい女がある契約を結ぶ。しかし時代に翻弄されて行く...


1936年、ユダヤ人のイレーンは高級ブティックで製造販売をしている。そこの客でもある裕福な主婦で友人になったスィルヴィアからある相談を持ちかけられる。それは「不妊症で悩んでいるため、夫との間に子供を産んで欲しい」という代理出産の申し出だった。その子には莫大な財産相続が約束されているのだが、時代はファシズムが台頭しユダヤ人狩りが始まるのだった...


オープニングは高級カフェで着飾って洋菓子を大人買いをしている美しい2人の姿。
この作品は過去作品とは雲泥の差で、衣装(洋服、帽子、ヘアスタイル、アクセサリー)がウットリするほどに素敵。
全体的に耽美で妖艶でアンニュイで官能的。2人の女優の競演も見応え十分。レズではないけど、ちょっとその雰囲気も醸しつつ...

夫役はこちらもマールタ監督常連のヤン・ノヴィツキ。
『ナイン・マンス』でもリリ・モノリと共演しているダメ男だったが、こちらは大尉役で見た目はカッコイイが、義父の財産目当てもあるし、ユペール嬢にゾッコンになって行く、やはりダメ男なのだ。マールタ監督が描く男に真っ当な人はいない。

目の保養部分は好みではあったけど、他作品と比べると短絡的で凡庸(商業的)になっていたかも知れない。
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