ひろるーく

冬薔薇のひろるーくのレビュー・感想・評価

冬薔薇(2022年製作の映画)
3.1
阪本順治監督は好きな監督だし、伊藤健太郎の復活の標として誕生したこの映画にものすごく期待していた。

主演の淳が伊藤健太郎。父親が小林薫、母親は余貴美子。
淳が在籍する半グレのグループの小リーダーが永山絢斗。その妹が河合優実。グループには毎熊克哉。
淳の叔父が真木蔵人。その息子、淳のいとこが板東龍汰。淳の友人(と勝手に淳が思っている専門学校の同級生)が佐々本宝。そういえば板東龍汰と佐々本宝は、キムタク主演のドラマ「ミライへの10カウント」で共演してたな。
さらに父親の小林薫の経営する会社の社員に伊武雅刀、石橋蓮司。

そうそうたる俳優陣である。

テーマは「淳の孤独」。兄弟を幼い頃、父親の船のある場所で事故死により失い、それ以来、父親は淳を避けるようになる。
ファッションデザインの専門学校に入ったはずの淳は、なぜか不良化し、半グレグループに入り、やくざな毎日を送っている。
それもこれも、自ら誰からも愛されないと勝手に判断した淳が、どんどん不良化していくのだ。自分に寄ってくる女から金をせびり、友人(と思ってる男)からも金を借りる。
時たま、お金ができると返済したりして、本当の「ワル」ではないという設定。

さらに「ダチ」という言葉に弱い。「友だち」とか愛情に飢えている。母親の余貴美子は十分に愛していたようだけど。

殺人事件が起こっても、警察は出てこない。お葬式もない。たぶんこのへんは、予算の問題か。そして、父親の小林薫の仕事が今ひとつなんだかわからなかった(僕が見逃していたのかもしれません)。漁師なの?港湾労働なの?

好きな阪本監督作品であるが、矛盾を埋めるだけの感動がありませんでした。河合優実が好きなのですが、ぜんぜん生かされていない。脚本も設定も物語もすべて「薄い」と感じました。なんでだろう?
伊藤健太郎のいわゆる芸能界からちょっと離れた一件なども踏まえて、「孤独な男」を描いたのかもしれませんが、なんとも「薄い」。

そして、衝撃のラスト。ものすごいダサいです。びっくりしました。今どき、こんなオチがあるなんて。

ごめんなさい。酷評です。期待が高すぎました。
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