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シティ・オブ・ジョイ 4Kデジタル・リマスター版のjamのネタバレレビュー・内容・結末

4.2

このレビューはネタバレを含みます

生きていれば逃げたくなることもある
その時をどう過ごすか

まさかインドのスラムで結婚式に出ているとは思わなかったでしょう?

ここに来て良かった、と言うようになるとは思わなかっただろう?


自分探し

人はいつ頃からそうやってインドへ向かうようになったのだろう


my family

はじめは眉を顰めて見ていたインド人を
マックスはそう言って
搾取する者の暴力から身を挺して守った

救えなかった
そんな自分に嫌気がさして
尊敬していたはずの父への失望と確執
「医者をやめる」
そうして足を向けたのが
インド、コルシカのスラム街


高度な医療機器も満足な薬品も揃わない
手作りの診療所
そこで彼を待つのは
故郷を追われた貧しい"家族"
ハンセン病の"家族"


一方
ハザリにとって
そこはまさに"歓喜の街"
家族を養い、娘の結納金を貯める為の仕事や
一家で寄り添い過ごせる棲家もある

何より

分け与えてこそ 価値がある

そう思える
助け合う心を持つ人との絆がある


マックス ハザリ
国や育った環境も違うけれど
この街で力を合わせて生きていくこと
その中で 自らの尊厳を確立していく


厳しい表現に思わず声が出そうになりながらも
この映画を観終われば
少しだけ、自分の求めていたものへの手かがりが掴めた気がする

おそらく、インドへは行けないだろうけれど


パトリック・スウェイジがノーギャラで出演したという本作
ロケ地でのハンセン病患者とのエピソードなどを知ると、また感慨深いものがある


そして
この映画の始まる前に
少し空いた時間に劇場すぐ近くの公園…
美竹公園でちょうど行われていた共同炊事
ホームレスや生活に困窮した方たちと支援者の方たちが一緒に作った温かい食べ物を分け合う姿を見かける

偶然の巡り合わせ
けれど、ここもまた
"歓喜の街"の一つなのかも
jam

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