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フェルナンド・ボテロ 豊満な人生のmanamiのレビュー・感想・評価

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映画として良いかと問われれば「映画としては可でも不可でもない」と答えるような作品。ドキュメンタリーとしては良いのだろうけれど、これを映画として公開することに特別な意味は見いだせないなと思った。言葉にするのは難しいけど、NHKで放送されるようなドキュメンタリーとの違いがあまりないように感じられた。

が、映画公開と共に渋谷Bunkamuraでボテロ展が開催されるとなると話は別。ボテロ展に行くのであれば是非事前に鑑賞するべきだと思う。誰かと観て、語って、ボテロ展に行って、語ってはじめて本作が完結するのではないかと思う。

本作は基本的にボテロ本人の語り少し、彼の子供たちの語り多め、彼と関わりのある人物や批評家の語り少しで構成されているのですが、トークでTakさんナカムラさんお二人が仰っていたようにこんなに幸せな芸術家は居ないと思う。きっと彼の幸せが心から「アート」であり、「人を幸せにすること」だからなのだと思った。何がアートで、何処から生み出されるものなのかを理解し、自分の作品に愛を与え続けられるからこそ、ここまで幸せな人生なのだと思う。何より、周りの人が彼の芸術を全力で信じて応援しているからこそ本人も幸せに創り続けられるのだなと思った。ここで言う「幸せに創る」というのは「富や名声を得る為に創る」ことの反対。

アフタートークも面白かった。埴輪の話ちゃんと聞きたいので是非何処かでこのお二人にボテロの話をしてほしいなと思いました。
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