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アナライズ・ミーのTLsのレビュー・感想・評価

アナライズ・ミー(1999年製作の映画)
4.8
マフィアのボスがセラピーのお世話になるというどこがで聞いたことあるお話。トニー・ソプラノが言ったようにコメディがこの映画のメインであるが、冒頭の名だたる実在のワイズガイの登場やアパランチン会議の件など史実を織り交ぜることによって目が肥えたマフィア映画好きも楽しめるようになっている。

 この映画は主演のロバート・デ・ニーロを始め数々のマフィア映画、ドラマ(主に『ザ・ソプラノズ 哀愁のマフィア』)の出演者が多数出演しているが、彼らは皆ステレオタイプのワイズガイを演じなれているので、マフィアの世界を知らないセラピストの目線でこの映画を見ることができる。また食事や服装などもしっかりとワイズガイぽくしており、この映画がコメディといって敬遠しているマフィア映画マニアも納得する出来になっている。やはり、ロバート・デ・ニーロをはじめとする彼らワイズガイ俳優の特徴として挙げられるのはその喋り方であり身振り手振りなど思わず真似したくなる不思議な魅力がある。そして多数のマフィア映画パロディもあり、このような点もマフィア映画好きがニヤリとするところであり、このようなマフィアコメディ映画には必ず求められるものであろう。

またこの映画の一つのキーワードとなる父と子の関係についても、それこそゴッドファーザーを思い出させるが、この映画ではゴッドファーザーの親子の関係のと同じくアウトローが子を持つ難しさを現実的に描いている。またセラピストの父、そして子と合わせて3種類の親子関係が描かれており、セラピストがワイズガイをセラピーする動機にもなっているのも面白い。私はしばしばマフィア物で描かれる親子関係に弱いので少しホロリと来た。

ただコメディだけではなくマフィア物らしく人が死んだり、少し悲しくもなるシーンが多々あり、まさに王道のコメディ映画で万人に勧めることができる点も良い。少々ラストが駆け足になった印象はあるが最後まで明るく楽しめるマフィア映画なので気になった人は是非見て欲しい。私個人的にはソプラノズに出演していた俳優がたくさん出てきたのも良かった。それにニュージャージーのトミーというマフィアが登場するが、ソプラノズ初回の台本では主人公の名前がトミーだったということを付け加えておく。このように所々ソプラノズを思い出させる点が何個かあったのも良かった。
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