ペコリンゴ

アナライズ・ミーのペコリンゴのレビュー・感想・評価

アナライズ・ミー(1999年製作の映画)
4.0
記録。
悩める病み社会のボス。

やっぱりマフィアなロバート・デ・ニーロ × 精神科医ビリー・クリスタル。今は亡きハロルド・ライミスがメガホンを取った爆笑コメディ。

ストレス社会と叫ばれて久しい現代。
いつ誰が患ってもオカシくないのが心の病である。闇社会の人間が心を病んでも決して不思議じゃなく、むしろタマを取るか取られるかの世界で生きる彼らが抱えるストレスは常人の比ではないのかも。

本作の患者さんは我らがデニーロ扮するマフィアのボス。心臓の発作を訴えて救急病院で検査するも異常無し。原因はパニック障害だと言われてガチギレし医者をシバき回す。この人無茶苦茶や(笑)

こんな男を診療しなくちゃいけない可哀想な精神科医を演じるのはビリー・クリスタル。自分がその立場なら冗談じゃないけど、見てる分にはこの上なく楽しい。TPOガン無視で現れるデニーロに困惑しながらの診療は最高に笑える。

ほんで、なんといっても本作のデニーロ、とっても可愛いんですよね(笑)

メンツがあるもんだから知り合いの話として症状を伝えるけど秒でバレてたりとか、ろくに診療してないのに「あんたは名医だ」と独り合点して満足げだったり、強気なクセに子供みたいにわんわん大泣きしたりetc…

難しい精神科医用語に対して独自の解釈をすることで生まれる絶妙な噛み合わなさも笑いどころ。「お袋とファックするのか?」は流石に爆笑不可避でした。

昨今、特にセンシティブに感じられるネタではあるけども、そんな中でも不謹慎さを感じさせないのはセンスが成せるワザかな。2人の間で育まれていく奇妙な信頼関係もベタながら良き。

まさに現在進行形で疲労とストレスを抱えている(図太いのか全然病まないけど)僕にとって最高の贈り物となった作品でした!