ダイナ

RRRのダイナのネタバレレビュー・内容・結末

RRR(2022年製作の映画)
4.4

このレビューはネタバレを含みます

金がかかっているだけあるVFXやアクションシーンの迫力がたまりません。「そんなレスキュー方法ある!?」「動物どうやって匿ってたの!?」「お前ら不死身なん!?」という違和感棒で立ち向かった所でラージャマウリ監督がバックについたビームとラーマにボコボコにされる始末、とても面白かったです。アクションシーンでのスローモーション多用がとても目立ち、攻撃をかわす所の「命スレスレ紙一重」な感じがとても際立って見えていた所が良かったです。序盤のラーマが暴徒に突っ込んでたった1人を捕まえに行くシーン、どう考えても無理があるよね。でも見入っちゃうよね。戻ってきた時には「この男すげえ…」って思ってるよね。「どう考えても無理」を別の感情に変換させる説得力、見せ方が本作溢れすぎている。

植民地時代のインドということで褐色人種への差別描写も落とし込みつつ、それを利用してカタルシスを用意という展開も面白く、ダンスシーン、貴婦人達が土煙気にせず踊り出し、鼻につく白人も同じ土俵に立って張り合ってくるという、「周囲をこちらのゾーンに巻き込む楽しさ」が描かれていてとても良かったです。(ジムキャリーのマスク感ある)個人的にはこの時の白人が改心して後に味方に…みたいな展開を望んだりしてました。

動物奇襲からの人間・動物入り乱れた大乱闘はとても好きなシーン。ここで序盤にあった肉塊が意味する所にピンとくるのが気持ちいいです。愛を持って接しているので動物も味方です!なんてことはなく普通にビームにも襲ってくる動物達。それをいなしながら敵を排除し娘を探すビームに事情を知ったラーマが立ちはだかるシーンでの2人が手にするアイテムに「FIRE」と「WATER」の要素を持たせている所、序盤R文字の印象が浮かび上がり、対峙した映像がとても迫力あってここも素晴らしかったです。

肩車や弓装備ビーム、燃えるバイクを突っ込ませたりと初期から人間を超越していたような2人がさらにワンステップ超越したクライマックスまでの疾走感。ここの鉄砲や手榴弾をちまちま敵から調達する所が好きで、若干感じていた「石像から借りた割に弓矢めっちゃストックあるな」という感想をポイさせてくれました。(まあどうでもいい事ではあるし他に突っ込むべきケレン味は大量にある)

友情の復活、そして虐げられる一方だった村に立ち向かう手段が送られる締め。時代を考えるとベストなハッピーエンドでしょう。子供が銃を構えなくていい時代を築いていくのはこれから。

YouTubeに上がってる本作の紹介映像(ダンスや動物奇襲)は鑑賞意欲はそそられるものの初見のインパクトをかなり損ねるのでは。上映後の館内の盛り上がりはここ数年観た中では個人的体感一位でした。エンドロールもダンスダンスダンス!で尻尾まであんこたっぷりな作り、始まりから終わりまでずっと観客を刺激したらそりゃそうだ。
ダイナ

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