映画太郎

RRRの映画太郎のレビュー・感想・評価

RRR(2022年製作の映画)
3.5
「ザック・スナイダー的」というのが第一印象

アンバーな色味で非現実的なアクションをスローでみせていく手法は、「300」で印象的だった。主人公が筋肉質で髭というのは偶然だろう。

銃弾を追うカメラや、両手に銃を持って敵地に乗り込むあたりは「ウォンテッド」を彷彿とささせる。

橋から飛び降りるシーンは、ザック・スナイダーではないが、誰もが「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ」を連想しただろう。「なぜそこに偶然ロープが?」と疑問が浮かぶ「ノー・タイム・トゥ・ダイ」に比べて本作はロープの必然性がしっかり描かれている。

無敵の弓アクションといえば「ランボー/怒りの脱出」(怒りの脱出ってなんだ?)。時代が違えばヘリを2、3機落としていたかもしれない。

ここまで書いてきて、本作をモノマネだというつもりはない。映画はリスペクトの連鎖でできている。タランティーノ作品はもはやリミックス、あるいは好きな映画プレイリストと言っていい。

本作はアクション要素が多めなのだが、ストーリーとダンスも大事にしている。ダンスは必須としても、ストーリー度外視でアクション大作に振り切ってもよかったのかもしれない。それこそ、困難を乗り越えて助けに行って、命懸けで帰ってくるという「ランボー/怒りの脱出」以降の、何も考えなくていいノリの方がアクションにのめり込める。それなら3時間という尺も必要なかっただろう。

ところで、鹿と虎を同時に放したら、虎は鹿を追ってしまう気がするのだが…
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