グラノーラ夜盗虫

RRRのグラノーラ夜盗虫のレビュー・感想・評価

RRR(2022年製作の映画)
4.0
上映後の映画館に観客の拍手が響くのは初めての体験だった。全般、荒削りでキッチュな展開が続くが、それ以上に作品から放たれるエネルギーは前例がない。

統治者たるイギリス人たちの暴虐さおよびイギリス文化のチープな描写、圧倒的なご都合主義展開はもちろん気になるが、それ以上に豪華絢爛な舞台装置と「ぼくのかんがえたさいきょうの戦い方」のオンパレード、筋肉/筋肉/筋肉の見応えがあまりに凄く、それらが全く気にならなくなるくらいだった。

そもそも、自分が今まで見てきた映画は西洋を中心に紡がれてきたもので、インドにとっての映画は全く違う、もはや遊園地のアトラクションのようなものなのかもしれない。この観点に基づくと、この映画の荒削りさを、これまでの伝統的映画の観点から批判することももはや筋が悪いのかもしれず、「よくわからないけどめっちゃすごかった!楽しかった!(以上)」というシンプルな評価のやり方のほうがより適切なのかもしれない。このような思考を巡らせるくらいに、自分に内在する常識/固定概念から離れた強烈な映画だった。

隣に座っていた女性と笑うタイミングが完全一致して、勝手に一体感を感じておりました