このレビューはネタバレを含みます
みうらじゅん大賞2022として様々な分野からセレクトした中の1つで紹介されていたのを見て、激しく興味をひかれ映画館に観に行った。
『マッドマックス 怒りのデスロード』に匹敵する過剰なまでのアクション、スタローンばりのマッチョ。ここまでの要素でハリウッド映画だったら胃もたれと吐き気を催すところ。
しかし、大英帝国の植民地支配に苦しむインド国民の怒りと悲しみという背景、加えてボリウッド映画(現在でもそう呼ぶのだろうか?)特有の歌とダンスが加わることで、3時間の脂っこいギトギト料理もあっと言う間に美味しく平らげられた。
半ばあたりで「interrrval」という文字が表示され、休憩を入れることを想定して製作されているようだが、日本では(私が観た映画館ではか?)無視してぶっ続けで上映された。
猛獣は走り回るわ、主人公は片手で重そうなバイクを持ち上げてブン回すわと荒唐無稽で、脚本も至ってシンプルなストーリーながら、これだけのワクワク感、満足感を与えてくれるとは凄い。
大英帝国のすべての人が悪者として描かれないようにという配慮か、ジェニーはとても良い人に描かれている。ラストで大英帝国からやって来た支配者たちが滅ぼされた後、ジェニーはどうなったかと思ったら、主人公と仲良く笑って戯れていた。いくらなんでも、親戚一同が殺された後なら、インド国民の気持ちがわかるにしても、ただ無邪気に笑っているだけではなく、何らかの心の葛藤があるのではないかというのが一点引っかかった。
それを差し引いても素晴らしい映画館での鑑賞となった。