ゆかちん

RRRのゆかちんのレビュー・感想・評価

RRR(2022年製作の映画)
3.7
「ナートゥをご存知か?」

…見終わったら言いたくて仕方なくなるw


インド映画を見たことないけど、やたら評判がよく、しかも映画館で見るべきとのことなので、遅まきながら観に行った!

いやー…最初からエンドロールの隅々までテンコ盛りで凄かったw
まごうことなき圧倒的スペクタクル映画!
皆が求めてる大好きなやつがこれでもかと詰まってるww
男同士の熱い友情、民族自決・自由を手に入れるための闘い、家族や許婚への想い…が盛り盛りに熱く描かれる。
そして今、逆に珍しいくらいの勧善懲悪で突き通す感じも気持ち良かった。

インド映画=ダンス多い映画と思ってたけど、これはそうでもなかった。
皆大好きなヒーロー映画でした。

時間長いのにあっという間!
各章に分かれてる感じで区切るので観やすかったし。
てか、INTERRRVALて笑。

いや〜…何回絵面がカッコ良すぎて笑ってしまったか…笑
スローモーションとか光を駆使して、ひたすらにいちいちにキメキメ〜!!
日本版ポスターが秀逸なことも分かったw
炎と水の対比がずっとカッコ良かった!

戦闘シーンは、ひたすら「スゲぇw」てなってた。マスクの中ずっと半笑い。
そんなん出来るんですかwとか、パワーやばすぎw物理法則無視しまくりwとか、肩車がカッコいいて初めて思ったwとか、色々飽和状態で見応え満載!
CGやワイヤーアクションが見え見えなところもあるけど、まあOK!

あと、インド音楽て馴染みのないリズムやったりするから新鮮!
メロディも馴染みないと言えばそうやけど、メロディよりリズムが違うのがなんというか不思議だった。変則的やし。

そして、ラーマの最後の格好がかっこ良すぎてもはや神様みたいやんって。

でも、インドの歴史を考えるとウウムと。
植民地支配が与えた人々の恨みというか想いというか。やっぱ、エンタメ映画も歴史から続いてくるんだなぁと改めて。

ただ、大人も子供も男も女もしっかり殺されるし、拷問だってあるし、ディズニーと違って血が流れる描写もあるので苦手な人はその辺は薄目で観ましょう。



舞台は1920年、英国植民地時代のインド。英国軍にさらわれた幼い少女を救うため、立ち上がるビーム(N・T・ラーマ・ラオ・ジュニア)。
大義のため英国政府の警察となるラーマ(ラーム・チャラン)。
熱い思いを胸に秘めた男たちが運命に導かれて出会い、唯一無二の親友となる。
しかし、ある事件をきっかけに究極の選択を迫られることに。彼らが選ぶのは、友情か?使命か?


↓↓ネタバレあり↓↓

【無邪気な感想】
面白かった!!凄かった!!
始まりから終わりまで、圧倒的なスペクタクル映画!!!
潤沢な資金があるからこそだろうな。
出演者の数も多いし。
マイケル・ベイにも負けない爆破と破壊もありました。

悪いやつが徹底的に悪いので、無邪気にヒーロー映画として楽しめた。

みんな大好き熱い友情!!
お互い素性を知らないまま育む友情。
それぞれの使命との狭間での葛藤と裏切り。
相手を守るため自己を犠牲に。
真実を知り、共闘。

これは好きでしょうw

リアルそうで全然リアルじゃないところも良き笑。
ツッコミどころはあれど、もはやそれ混みで楽しむ作品。

●ダンス
ナートゥのダンスのとこめっちゃ良かったw
そこだけ切り取って見るとただのミームな感じやけど、映画の流れで見るととても良い。
てか、あのダンスきつそう!
片足でずっと力強いステップしてるんやもん。鍛えてないと足攣りそう。
ナートゥダンスもやし、他もやけど、インドのダンスって、めっちゃカロリー使いそうやな。キレッキレで良かった。

●アクションシーン
・ラーマが警察として1人で群衆をボコりボコられながら任務を遂行するシーンはゴイゴイスーやった!どれくらいエキストラとかの人が参加してたんやろ?群衆を捌いていく動きとかよくできてた。
・ビームとラーマとの出逢い、少年を救うところが、「わ!そういう風に助けるのね!」てなって良かった。そしてラーマが手にとったあの旗は何だろうて思ってたら、水に濡らして炎から守るためなんやね。なるほどー!
・英国軍の館でビームが獣たちと飛び出してくるシーンにウオォっとなった。冒頭の狼や虎を捕まえてたのはこのためだったのねというのも含め。
・ビームvsラーマの火と水の対比がカッコよき。全体的にビームとラーマを水と炎みたいな対比があるのもカッコ良い!厨二病くすぐるねwあと、バイクと馬ってのもかっこよき。
・肩車がこんなにかっこいいとは思いませんでしたw強すぎて笑える。なんやあの塔に登るやつwビームとラーマの良いところを活かした脱出戦闘体勢になってた。
・ラーマのアクションは相手との絡みがしなやかでかっこよかった。特に足技?というのか、クルッと相手の動きを巻き上げて倒していくアクションがかっこいい。
てか、ラーマかっこ良すぎるw
銃使うのもやけど、最後の戦闘のとこ、ロン毛髭面上半身裸で弓矢を構えるところがカッコ良すぎて笑ってもうた。ほんま戦闘の神様みたい。
・ビームのパワーな闘い方も強強で良かった。

●ラーマの回想シーン
最初、ずっと無表情でマシーンみたいに英国に忠実に尽くしていたラーマ。
彼の目的は何なんだろう?とずっと思ってたら途中で回想シーンが入る。
色々辛かった。子役頑張ってたな。。
最初からラーマの思惑を見せるのではなく、途中でこうでしたって明かすところが良い効果になっていた。


【ツッコミどころ】
ラーマもビームも相当の負傷してるし血を流してるのにガッツリ闘えるw
ちょっとしたら大体治ってるw
ビーム特製の薬でゲームみたいに復活するラーマ最高w

ラーマとビーム、確かに出逢いのシーンは良かったけど、そんなすぐ信頼関係築ける?ていう。特にラーマはそこまでずっとマシーンみたいな表情しか見せてなかったから。いきなり優しい笑顔になるのに驚き。

イギリス人のジェニー、中には優しい人もいるのもわかるし、あんな外道なことするイギリス軍の人たちよりもビームたちの味方になるのもわかるけど、そんなすぐ打ち解けるんやwとか、あと、最後一緒に来てるんやwていうのと。
彼女はあのイギリス軍の人たちのどういう存在やったんやけ。娘??姪っ子?
ほぼ全滅させられたけど、大丈夫なんかな。

ジェニーに近づけたときのビームが首ゆらゆらするの可愛かったからいいけど笑。


【歴史と元ネタ】
・ビームとラーマは、実在の独立運動指導者コムラム・ビームとアッルーリ・シータラーマ・ラージュをモデルにしたとのこと。

・物語はヒンドゥー神話の2大叙事詩『ラーマーヤナ』『マハーバーラタ』の影響を受けていると。
ラーマーヤナ、マハーバーラタって、世界史でやったー!懐かしい響き!!内容知らんけどw歴史の流れで名前覚えた〜。

・ビームとラーマは、宗教や民族としては別。でも、それを越えた友情を育んだ。お互い命を危険に晒しても守りたいという関係を築けたという。そういう別の所属でも培われる一体感みたいなのもテーマなのかな。

・イギリスによる植民地支配。世界史では勿論出てくるし、そこからインドが独立するために闘ったことも習うけど、実際どうインドの人たちは感じているのかまではわからず。
MCUドラマMs.marvelでも出てきたけど(パキスタン移民なので)、やっぱインドパキスタン的にはイギリスが悪者になるんだなぁ。
欧米制作ならソ連やドイツ、中国がその位置にくる(アメリカはアメリカを悪者にすることも増えてるけど)。
イギリス人俳優がヴィランを演じることは多くても、イギリスが悪者になるのは欧米映画を見てる私たちからしたら珍しい気もする。
でも、インドパキスタンならそうなるんだろうな。エンタメとはいえ、やはり歴史が尾を引いているのを感じる。
てか、知らんぷりしてるけど歴史みてたらイギリスだいぶズルいことしてるよな〜。イギリス好きやけどさw
南米ならスペインとかにもなるんだろうか。ブラックパンサーでネイモアのオリジンでスペインが悪い感じで描かれてたもんな。

無邪気に楽しみつつ、こういう文化的歴史的なのも感じました。

【俳優さんたち】
ビームもラーマも良かった〜!
カッコよかった!!

あと、ラーマの許婚シータが美しい!
聡明で可愛かった。
エンディングのダンスも良かった!
イギリスのジェニーも綺麗で素敵やった。

イギリス軍役の人たちはどういう気持ちなんだろな。
日本もアジアの一部から見たらこうなんだろうね。まあ、第二次世界大戦が舞台で日本が悪者の作品もあるし。

てか、さりげにMCUのマイティ・ソーとかに出てたレイ・スティーヴンソンが出てた。



おもしろかった!
ここまで振り切ってると気持ちいいね笑。
ナートゥをご存知になってしまいましたわ。
ゆかちん

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