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RRRのbebeのレビュー・感想・評価

RRR(2022年製作の映画)
4.8
めっっちゃ面白い!
不勉強なものでインド映画にはそれほど明るくないけれど、それでも良い作品なんだろうと思う。

 前提として、前後半を分けずに語ることはできない。inteRRRvalがあるなら日本でもとってほしい。配給会社さん。お願いします。
 というのも、前半と後半ではもはや別作品くらいにスタイルが変わるから。長さは正直気にならなかった。面白すぎて。でも確かに頭を切り替えたいなと思ったし、何より前半のテンションを後半に持ち越すと、少し後半の味わいが変わってしまうような。

 前半では「炎」と「水」と題されて、2人の主人公が登場。バディものに見えてその実…という緊張感と、ほのぼのと楽しく進むストーリーのバランスが良い。音楽は基本的に鳴っているけど、本格的に歌や踊りに入った時の体に響くリズムはたまらない。

 後半からは一点、「インド」という国がもっと前面に出てくる。『ラーマーヤナ』や『マハーバーラタ』といった叙事詩のような、神話を交えた世界観が歌に乗って、一層古典を思わせる出来に。内容自体も歴史に大きく踏み込む。

 恒例のダンスシーン。良かった。本当に良かった。これ、今後も無くならないで欲しい。楽しい。特に「ナートゥ・ナートゥ」。
 世界史オタクの皆さん、お分かりですね。1920年代といえばガンディの非暴力不服従運動の後継。「公衆運動」が「大衆運動」並行する時期でしょう。イギリス人のダンスマウントにはダンスで抵抗するも、暴力には耐え忍ぶ姿勢がかっこいい。
 映像技術もほんとすごかった。カメラワークもいい盛り上げ。言うことなしでは?

 歴史については「そんなにやって大丈夫なのか?」というところも少なくなかったけれど、自分はインド人でもその関係者でもないので、歴史云々には言及することを避けたい。

 神話について、上に『マハーバーラタ』と『ラーマーヤナ』を挙げたけれど、これに関してはもう隠されてすらいない。ラーマ王子とシータ姫(かわいすぎ)、怪力のビーマ。誘拐から始まるストーリー。など。でもそれだけ国のアイデンティティとなる叙事詩って偉大だなあと。
 結構ファンタジーなんだけど飲み込めたのは、『パーシー・ジャクソン』シリーズのファンだからかもしれない。
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