猫山

RRRの猫山のレビュー・感想・評価

RRR(2022年製作の映画)
4.9
映画版「少年漫画」だった。

なんやかんやで4回観に行ったし、また観に行く気がしている。あの体験を得られるのならまだ何度でも行きたい。


なにより、どのシーンでも魅せ方がはちゃめちゃに上手い。
音楽でこれでもかと言うくほど「ここ盛り上がるよ!!!」と主張してくれるから、分かりやすく没入できる。歌詞に合わせた演出もあれば、映像に合わせた歌詞もあるのでそのマッチ具合が最高に気持ちいい。

もちろん音楽以外も最高に良い。戦闘シーンでのスローモーションの使い方が秀逸で目を見張るし、余計な動きの無さも素晴らしい。例えばどうにかネタバレしないように説明すると「ジャンプで飛び越え→そのまま攻撃→そのまま乗馬」の一連の流れが美しすぎる。

蹴りの姿勢がやたら完成されてるし、カッコいいシーンは1枚の絵として観ても完璧な構図でため息が出る。


もちろん気にならないところが全くない、ということはない。だが個人的に気になった部分はエンディング直前か最中にあったので、あまりにも爽やかなエンディングに持っていかれて「まあいいか!!」となる。
何よりそれまでの描写から納得できそうな理由を各々で探せそうなので大して気にならない。
そもそも大体は勢いと演出でどうでも良くなるので、「ここどういうことだったんだ...?」と気にして本編に集中できない、なんてことがないのが良い。

しっかり内面描写や過去回想がありつつ湿っぽさがない点もポイントが高い。テンポも良いし伏線もちゃんと拾うからストレスもたまらない、少年漫画のお手本のような作りだと感じた。


これから見るよという人がもしこのクソ長レビューを読んでいるのなら、ぜひ良い映画館で観てほしい。
この映画を完璧に浴びてほしいので、できることなら座り心地も位置も良い座席で、IMAXやらドルビーシネマやらで観ていただきたいと思ってしまう。
ついでにYouTubeでナートゥダンスの動画が上がっているが、その切り抜かれたシーンの直前にぜひ注目してほしい。「歩いてくる→立ち上がらせる→肩に手を置く」という何気ない動作の連続なのだが、あまりにも様になりすぎている。

......などと必死に常体を取り繕って書いたわけだが、「マジのガチで本当に最高にエネルギーをもらえるので、この最高峰のエンタメを全人類観てくれ!!!!」というのが本音である。
猫山

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