寿マーガリン

RRRの寿マーガリンのネタバレレビュー・内容・結末

RRR(2022年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

開始10分で魂が震える。
気持ちいいほどの怒涛の展開。3時間は長いな〜なんて気後れしていた俺は、森で生まれ、無知だった。



▼以下、普通にネタバレ感想▼

エンタメを浴びろ!!!!と言わんばかりに、バトルに友情、策略に使命、神話に歴史に、ちょっと恋バナ♡という「世界の〝おもしれぇ〟全部詰めときました」みたいな、100人いたら102人が面白かった!と答えるような最高ムービー。

ラーマかビームかと言われたら、個人的にはラーマの方がタイプなんだけど、1番最後のビームのセリフがすごく胸に来た。

ラーマが
「君のおかげで大切なことに気が付けた。なんでもいいからお礼をさせて欲しい。」
と、伝えると
ビームが「では、読み書きを。」

と答えるシーンだ。


ビームはムッキムキの肉体で、身体能力はもちろん、気持ちの強さ、優しさも人一倍たくましい男だけど、英語が話せないのだ。
だから好きな人の話を全部聞き取れなかったり、伝えたいことをストレートに伝えることが出来なかったりする。

そんなビームが、
チカラとか、強さを追い求めた先に「言葉」を読み書きをしたいと言う。
それがなんだかすごく私の心の琴線に触れて鳴り止まない。良過ぎる。アツい。

言葉や文章も、強さなのだ。
物理的な暴力より、ずっと優しくて逞しくて、多くの人を守ることができる、立派な武器になる。

母国語だけでも、読み書きできる自分はとても強く、恵まれているように思う。日本にいると当たり前だと思ってしまうけど、読み書きできない人というのは世界的に見たらたくさん、当たり前に存在しているのだ。

知識も、言葉も、感情も。
知っていれば知っている分だけ、私たち人間は多くの人を助けることができるし、自分もさらに幸せになることができる。

言葉とは、
現代版のシヴァ神の弓矢であり、ラーマにとっての銃みたいなものだ。
観終わってから不思議と勇気と元気が溢れてくるような、本当に良い作品だった。
こんな映画を作れるインドは、一体どんな国なんだろう。
インドの歴史と、今を知りたいと思った。

あと、恋愛がテーマの物語ばかりが最近多いような気がしてたんだけど(エモい、みたいな気だるいやつ)(苦手)
改めて「友情」というものの素晴らしさを思い知らされたように思う。

現代版走れメロスみたいな感じ。とにかくアツい。魂を震わすほどのアツい友情。スラムダンクの流川と桜木のハイタッチ。もしくは2人はプリキュア・マックスハート。そういう感じです。


帰り道に、道端で倒れているおばあさんを見かけ、普段だったら酔っ払いかーと思ってスルーしてしまうところ、RRRを観たおかげか、不思議な勇気が溢れ出してきて、大丈夫ですか?と声をかけることができた。
転んじゃったダケよ、ありがとうねぇ、と言われ、何事もなくてよかった。

「人助けをしなさい、と許嫁に言われているもので。」と言いたかった。次何か人を助ける機会があったら、そう伝えてぇ…