umihayato

RRRのumihayatoのレビュー・感想・評価

RRR(2022年製作の映画)
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やっと見てきました〜
いやはや、物量・動員力・過激さ含め、近年稀に見る衝撃作な事は確かであるし、素晴らしい傑作だと思うし、前半部分はとても興奮しました。

特にパーティーのシーン。
白人による差別・抑圧・迫害・嘲笑に対抗するのが、暴力ではなく歌やダンスだったことにはとても感動しましたし、いいじゃんいいじゃんと泣きそうになりました。
てか音楽めちゃくちゃ良かった。

が、しかし後半部にはだいぶ悲しくなってしまいました。
民族・国家主義が最前面に出され民兵化が叫ばれ(時代背景や植民地からの解放という設定的に至極真っ当だとは理解しますが)、戦争や軍拡が止まらない今の時代に今作と同じイギリス植民地時代に「非暴力・非服従」を唱えたガンディーではなく、こちらの側面を描くことを国力挙げたであろう超大作で表明するのは、ちょいと悲しい気持ちに。。。

もちろん、実際の歴史でも武装蜂起もあったろうしその中で英雄もいたでしょう。
現実問題あそこまでの迫害に対する武力革命は僕も概ね賛成と思うところもありますが、、、映画的なエンタメカタルシスの担保としてと言うのも超分かるんですが、手放しで楽しかったー!と言うには世界的に根の深い植民地支配への怒りと、武力での解決に行き着くしか無い現実に重い気持ちになってしまいました。

インドの現状の社会情勢や検閲の度合い
歴史的な価値観も一切不勉強なので勝手にモヤってるだけなのですが。。。
ちょっと色々見ないとなぁ。

監督と主役2人のインタビューを読んだら「パーティーシーンがウクライナのキーウで撮影されたとの事で、今の世界情勢への思いは?」との質問に、「映画はエンタメだからメッセージを込める気はない」とか「この映画がなかったら世界的に有名になれなかった」とか言っててなんだかなぁという気持ちにもなってしまいました。。。

とは言え民衆にはいつだって『RRR』Rise(蜂起) Roar(咆哮) Revolt(反乱)が必要だとも思っています。


んな堅苦しいこと考えないでカタルシスに埋もれたい人生だった。
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