いのしん

RRRのいのしんのレビュー・感想・評価

RRR(2022年製作の映画)
3.3
初めてインド映画を観た。クセ強すぎ。「INTERVAL」ってなんだよ、初めて見たぜ。と思ったけど日本上映には無いだけで本来は休憩が入るのね。カオスすぎなくてよかった。ミュージカル風。3時間の長さだったがあっという間だった。展開があるため、同程度の長編である「アバター:ウェイ・オブ・ウォーター」よりも見入ることができる。
冒頭でマッリ(トゥインクル・シャルマ)がイギリス兵にさらわれ、エンディングで取り返すという、ビーム(N・T・ラーマ・ラオ・ジュニア)がマッリを奪還するストーリーがベース。その途中でビームとラーマ(ラーム・チャラン)は親友になるも、実はラーマは英国警察という正体が明かされ、敵対する関係で二人は友情をとるのか、使命を全うするのか、という話。「あらしのよるに」みたいな感じ。仲良くなってはいけない二者がお互いの立ち位置を知った時、どうするか。
迫力あるアクション、動物を使って闘うというインドの部族らしさ、爆破・発砲のCGの細かさ、放たれた弾丸や矢に寄ったスローモーションな映像など、見応えはある。
そして最初は敵対関係にあったビームとラーマが、後半タッグを組んで英国警察を倒していくシーンは圧巻。とにかくこの二人が合わさると強い。もうやりたい放題で傷つくことを知らない。そんな無茶な、という感じ。自走するバイクを素手で止めたり、飛んできた木の破片をキャッチして武器にしたり、現実では実現不可能な身体能力で次々と敵を倒して前に進んでいく。100%敵を倒すというハラハラしない展開。無敵。
という感じなので、心理戦や駆け引き、伏線回収など何もない、気合と音楽の迫力で乗り切る映画。こういう映画もあり。大ヒット作で、何回も観に行ったという人もいるくらいだが、好みは分かれそう。自分は嫌いじゃないが、一回で良いかな。
中盤、パーティに招待されたビームとラーマが、イギリス人が皆踊っているダンスを踊れずエドワード(エドワード・ソネンブリック)に馬鹿にされるも、ナートゥ・ナートゥで周りを虜にしていくシーンは盛り上がりを見せる。唐突に踊り出すシーンの急展開に笑ってしまいそうになるが、二人のキレキレのダンス、それを見て周りの女性たちが一緒になって踊る様子は、観ているこちら側も楽しくなってくる。撮影現場絶対楽しかっただろうな。これがインド映画の魅力なのかもしれない。