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RRRのjeffk4planのレビュー・感想・評価

RRR(2022年製作の映画)
5.0
3時間ビックマックを食べれますか?


【○】
・他では味わえないドーパミンとセロトニンの濁流。
 アクションの醍醐味は格闘シーンやVFXで興奮してドーパミンが出ること。
 ヒューマンドラマの醍醐味は、人間模様やストーリーで感動してセロトニンが出ること。
この映画はその2つを濃縮して、3時間視聴者に与え続けるパワー系映画です。

 通常、コース料理では前菜、主菜、箸休め、主菜、デザートという順番があります。
今作がコース料理の場合、主菜、主菜、主菜、主菜、主菜、です。
起承転結を少しおざなりにして、美味しい所だけを見せ続ける。なのにストーリーはしっかり存在していて、破綻しない。そして各シーンのインパクトはさながら、久々に食べたビックマックの一口目。圧倒的脂質と炭水化物で脳に強制的に美味いと思わせる。そんな映画です。
 でも、3回ぐらい泣いてしまいました。ビックマックを食べて泣いたことは無いのに。

・インドがわかる。
 ストーリー進行や登場人物の描かれ方には、プロパガンダと言ってもいいぐらいバイアスがかかっていますが、そんな映画がヒットしたということは「インドの人はこういう考え方が多数派」ということがわかります。

 数年前にyoutubeにてPewDiePie vs T-Series という競争がありました。その時点でチャンネル登録者数1位の"白人"youtuber pewdiepieに、インドのレーベル会社T-seriesの登録者数が追いつきそうになり、途端両者の登録者数が爆増し、1位争いが行われた出来事です。
 インドでスマホを購入し、googleアカウントを作成すると自動的にT-seriesのチャンネル登録が行われる。インドではpewdiepieのチャンネルが検索できない、という"テクニック"によって最終的にはT-seriesが上回りました。
この騒動の時「なぜT-seriesはここまでして、1位になりたいのか?」と謎に思っていましたが、今作を見ることで合点がいきました。

【×】
インターバルをカットしている。
インド映画の特徴として、長編映画の場合2部制にして、途中インターバルを入れ、そこで観客はトイレに行ったり、売店に行ったりします。今作でも設けられていますが、日本で上映されたものではテロップだけが表示されすぐ次に切り替わります。
更に、ここで字幕なども無いため、このシステムを知らない方は「今の何?」と困惑してしまう可能性がありました。
ドリンク・フードをお供にしている方は、ちょうど小休止が欲しい時間帯。
このインターバルはまるごとカットせず、数分設けてほしかったです。
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