大橋直樹

RRRの大橋直樹のレビュー・感想・評価

RRR(2022年製作の映画)
5.0
人に勧めたくて何度も誰かと一緒に映画館に行ったという経験は初めて
それは映像から伝わってくる熱量が半端じゃないからに他ならない
盛り上がり所がすごい密度で起こっていくこの娯楽を浴びせかけられる感覚は無二
主演の二人がすごーく可愛らしいんです
笑顔も仕草もすごく親近感が沸く
でもいざ戦うとなった時の顔面力は日本人に勝てる訳ねぇじゃんという力強さ
小沢さんとはまた違うんだなぁ怖さ中心の顔面力だもんな
あと普通に演技が全員上手すぎる
手の動作や視線の移動まで完全に操作して行われてる
Waterの最初の娘さんを村に返した方が良いとイギリス人に言うシーンがめっちゃ良いです

音楽の演出は本当に素晴らしい
歌唱シーンが良いのは語るまでもないんだけども
二人が最初に出会うシーンで流れるシーンが二人の再会のシーンに引用されたり、二人それぞれのテーマソングが1番良いタイミングで流れたり
古畑任三郎とかコナンのこの音楽がこの展開!みたいな心地よさがあるというか
これがまったく同じ音楽が流れるわけでもなく特徴的なフレーズは引用しながらシーンの雰囲気に合わせてアレンジがされているので嫌らしさもなく、音楽のクオリティが高く煽情的で迫力のある音楽なので一見そんな訳wとなるような展開もそれまでの積み重ねも相まってもう泣ける所まで行ってしまうというこのトリップ感
お前ら…お前らが最強だ…と言わざるを得ない

それから最後にこんなにイギリスを敵として描いた映画が全世界で公開されてるという健全さがこの映画のストーリーと相まって感動します
ナートゥダンスのシーンがそれを象徴的に表していてこの映画内では結局戦いによってインド開放の一端を担ったビームとラーマですがナートゥのシーンではダンスという形でバトルをしてなんかみんな清々しくてイギリスの人達もバトルに参加して真っ当に悔しがってその瞬間差別がなくなってるじゃん!ってのがたまらない
2回目観て1番泣いたのナートゥです
そして最後にラーマに何を与えたら良い?と聞かれたビームは読み書きを、と答えます
闘争じゃなく弁論で戦おうとするビームですよ!
それにビームのヒロインにジェニーというイギリス人を据えてるのもすごく素敵じゃないですか
まだインドは分割統治の爪痕が残っていて歴史としては過去でもまだまだイギリスの支配というのは残ってる訳ですがそれでも罪を憎んで人を憎まずですよ
本当に大切な事をちゃんとピースとして描いているから突き抜けたエンタメでありながら何度も観れる奥深さもあるんです
この映画をキッカケにインド映画を観るようになって本当によかった
大橋直樹

大橋直樹