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RRRのbluebeanのレビュー・感想・評価

RRR(2022年製作の映画)
4.0
前半のストーリーが面白すぎて見ていてワクワク感がすごかったです。拉致された妹マッリに徐々にたどり着いていく流れとか、お互い秘密を持ったビームとラーマの友情とか、展開と演出がエンタメとして完璧すぎました。まるでBTTFを見たときに感じた感覚のようでした。アクションシーンもまだぎりぎりわずかのリアリティを保っていました。蛇に噛まれてから告白までの展開の持って行き方は本当に天才的だと思いました。

一転、後半はバーフバリのような過剰で豪華なアクションシーンの連続です。意外で面白かったのは、完全にランボーへのオマージュだろいう弓での戦闘です。銃より強い弓矢です。火矢で一面を火の海にするところとか、手榴弾つきの矢で爆破するところとか、ランボーの2作目そのもので笑ってしまいました。

ランボーに似ていると感じたのは武器だけではありません。本作で描かれるイギリス人はほぼ全員差別主義のクズ人間だけです。ヒロインの女性以外全員です。気持ちの良いほどの悪、完全な敵だという設定です。そんなインド人を人間扱いしないイギリス人に容赦は必要ないとばかりに、ばったばったと殺しまくります。それを見て、ランボーがアメリカ兵を必死で助ける反面、ソ連兵などの敵を容赦なく殺しまくる様子を思い出しました。今時ここまで外国人を敵として描く映画も珍しいのでは。少々、イギリス人をインド人が盛り上がるためのダシに使いすぎな感があって気になりました。

近代が舞台とあって、インドの伝統的な要素と西洋文化が混ざりあって良い雰囲気でした。金持ちの世界に潜入したり、街中のアクションとか、007やMIのようなスパイものの雰囲気もありました。
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