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RRRのfumingのレビュー・感想・評価

RRR(2022年製作の映画)
4.0
バーフバリで空前絶後の大ヒットを飛ばした、ラージャマウリ監督作品の最新作。その名を轟かせたおかげか、普段インド映画なんか絶対上映しない地方の劇場でも上映していたのは驚きだった。

本作を観ていて感じたのは、本作をはじめとした一部のインド映画はもはやハリウッド映画よりも正統派なハリウッド的だということ。
ハリウッド映画は今やポリコレを切れない立場にあり、制作側・観客の両サイドともにもはや辟易しているように見受けられる。そんな中、熱い友情で結ばれたマッチョな男達が邪悪な異国の外敵を討つ勧善懲悪もので、こういう明快さがやはりウケていると感じた。またインド映画の通り「インド人のインド人によるインド人のための映画」で、しかも彼らは一応国際的にはマイノリティなのだから、その辺でもポリコレの風は本作の前では完全敗北ではないかと思わざるをえない。

色々書いてしまったが、とにかく展開や画的にものすごい熱い映画である。攫わせた家族を救う、貴族を倒し植民時代と封建社会を終わらせる、仲間の死や尊厳破壊、そして古代神話の英雄の名を冠した男達が人々を解放する等、まるで最近のワンピースの要素を全て3時間強に濃縮してぶち込んだような内容で、クライマックスシーンのカタルシスがとにかく凄い。復讐がテーマの劇画チックな作風もいかにもなテルグ語映画らしい。
また象徴的なダンスシーンなど、本作は前作のバーフバリよりもより典型的なインド映画らしさが観られて、インド映画を初めて観る人にもコレだよコレ感が得られると思う。友情・努力・勝利を体現した、これが正統派エンターテイメントアクション作品じゃと声高に言える作品であろう。
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