上映後パラパラと拍手のあがる映画館の中で一人、「ハマれなかった………」という失望感と虚脱感をおぼえて退場。
圧巻のスケール感であることは確か、本映画の大きな山場であるナートゥダンスも人並みに楽しめた、筈だったが、一度目の城突入が終わった後辺りから徐々に心が離れはじめ、以降はどんなにスケールのでかい演出が展開されても全く心が動かされることなく結局エンドロールまで突き進んでしまい、ただただ残念だった。
これは完全なる個人的な趣味の問題だが、「武力」が何かしらの形で絡む物語（映画、アニメ、漫画など）の中でも、すんなりノれるものと 全くと言っていいほどノれない作品の二択が明確に分かれているらしく、それらの違いにどのような要素が作用しているかは自分の中でも未整理なので、今後も食わず嫌いせずにあらゆる作品を観ていくなかで掴めていけたらな、と思う部分ではある。
余談だが、映画のド初っ端から人間が殴られる音、骨の折れる音、血がヌチャ…と滑る音などが割と克明に炸裂していたわけだが、それに対していちいち小さい悲鳴をあげたり目を塞いだりして反応していた隣の観客が、映画の終盤では人間がグッサグサ矢に突き抜かれて死んでいく様を、これっぽっちも身じろぎせずに正面から見据えているのがウケた。感覚って麻痺るし、人間は慣れやすいよな。
