楽しみにしていたラリユー新作、はじまりから終わりまでノンストップで引き込まれた。歌もライブ録音したと、ご本人登場でマチュー氏が言ってたけど、登場人物全員の歌声が良すぎてビックリ。音楽担当は全部あの弟役のベルトランさんなのか？ストーリーにばっちり寄り添った歌詞もビンビン響く。カッコよすぎずダサすぎない押し付けがましさがまったく感じられない絶妙なセンス、好みすぎてやっぱりラリユー作品いいなあとしみじみ嬉しかった。なかでもルルドの土産屋バイトのエプロンのまま昨日のセックスの喜びを歌い踊って40才の自分を讃えるメラニーティエリーさん、アンタ最高だ。ディスコ・パラダイスで久しぶりにDJするママさんもカッコいい。誰だこのおっかさんと思ったら「美しすぎて」とかのジョジアーヌバラスコさんだった。ボルドー色のキャップ被ったマチューがパリから持ってきた緑色のテレキャスターにボロいジャケットもくすんだ緑、ドニラヴァンは緑のタートルでそのミドテレキャスを汚れた川にドボン。さまざまな色味も美しくて印象深い。ティエリーさんが薄羽衣で歌うラブリーすぎる寝室に続々集まる女たち。夢見心地な御伽噺のような世界に、儚くて不穏なニュアンスも見え隠れしていて、ラリユーのセンスとインテリジェンスに唸りまくりました。見終わったあとにみにきていた友人がマチュー＝寅さんか武田鉄矢だと話していてそれもまた最高。武田鉄矢版トラララ…ほんとに自分監督とかでやりそうで怖いよ武田鉄矢。
