眉毛

ヘルドッグスの眉毛のレビュー・感想・評価

ヘルドッグス(2022年製作の映画)
4.0
総合的に期待通りで良かったので4.0点!
坂口健太郎君がやばい役をやると聞いて気になってしまって。全くファンでもないしどちらかというと普段のドラマなどでよく演じられている優しいお兄さんキャラは特にファンにはならなかったのだけど。

映画の中で段々、ますます狂っていく様子がとてもよかった。
表情を崩す感じや、人間として未熟でかなり欠けている、けどあっけらかんとしていて、人懐っこさもある、だけど殺す都なると歯止めが利かないくらい興奮してしまう、そんな自分をコントロールするために、1日5人までって決めてる、でもコントロールしきれないときがある、それで悲しい顔をする。いろんな顔を持った青年を最後は見事に演じきったな、と個人的拍手喝采でした。
普段良い人を演じている俳優が、闇の顔を持つ人間を演じるのが個人的にとても好きで、それがはまる人とそうでない人がいるのも観ていて面白く、もっと観たいと思う。

映画としての最初の掴みは微妙だった。
個人的に、たまに映画でやられる、序章→題名がばんと出る→ストーリーが始まる、みたいな(レザボアドッグスとかサタデーナイトフィーバーとかでもやられてる)ところの良さって、序章だけで期待が爆上がりして気分が高揚するところなのではと思うのだが、
そこはあまりだったので、期待したほどではなかったかなと思ったのだけど、最後まで観たあとはなかなか良かったなと思った。

原作が小説あるあるだが、やはり小説の方が深層の感情の揺れ動きや人生背景などを詳細に描いていることが多く、小説を読んでみようかなと思った。
原作を読んでから映画を観ると、どうしても詳細がカットされてしまい、残念な気持ちになるあるあるなのだが、今回は先に映画を観たので一石二鳥が叶いそう。

インタビューで岡田さんが言っていたけど、監督が詳細の演出まで固めずに撮影をするから、たまたま演技の中で起こった偶然が作品に混じっているそうで、それを聞いてから観るとくすっと笑ってしまう場面がいくつかあって、とてもよかった。裏話は面白い。
序盤の、岡田さんが坂口君に(役名忘れた)寝技を寝技を教えるシーンがあって、素で笑っているような、素で言葉が出ているような雰囲気があって、がちがちに作りこまれていないところが観る側の楽しさにもなるんだな、と思った。

ちょっとくすっとなってしまう映画作りがファンになったので、もう一度アマプラに出たら観たい。この監督×岡田君の映画も他のがあるみたいだからそれも観てみようかな。
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