ずどこんちょ

名探偵コナン ハロウィンの花嫁のずどこんちょのレビュー・感想・評価

3.5
コナン映画の中で初めて警察学校編の同期組が描かれました。
面白かったです。劇場版作品は原作本編の世界線とは違う形でストーリーが展開されることが多かったと思います。これまでのストーリーと齟齬が出ないように、そしてこれからの原作の邪魔にならないように。
しかし今回は、原作にもある松田刑事の殉職事件の前日譚が描かれます。あの事件が起こる前、彼が遭遇していた爆弾魔との攻防。そして、松田刑事ら同期組が取り逃した犯人が再び姿を表すのです。
原作のストーリーとも絡めることで、原作の世界観に奥行きが広がったようで、とても楽しめました。

舞台も良かったです。
これまで京都などの地方が舞台になることはありましたが、渋谷が舞台になったことは初めて。
ハロウィンの渋谷という舞台が描かれることで、よりリアルな緊迫感を感じられます。渋谷の特徴的な地形もトリックに使われるのはハラハラしました。

緊迫感で言えば、結婚式場での銃撃戦はこれまでのコナンシリーズの中でも珍しい、激しい戦闘シーンだったように思われます。
派手な爆弾の爆発も良いのですが、リアルな銃撃戦もまた良かったです。今回のコナンはちょっと大人世代がターゲットなのでしょうか。

「キミがいれば」を劇場版で聞いたのは思えば久々の体験でした。
調べたら、15年ぶりのことだとか。なぜこの15年間、「キミがいれば」を忘れてきていたことに気付かなかったのでしょう。劇場版といえば、この曲だったじゃないかと初期作品の記憶が蘇りました。

相変わらず劇場版は驚かされる展開もあります。
工藤新一、ロシア語も流暢に喋れてたとは。多才すぎるだろ…というよりも後出し設定過ぎる。もはや新一が得意としていることとして設定されているものは事前に一覧で教えといてほしい。
それから渋谷のど真ん中であのような大規模な作戦を実行したなら、さすがに阿笠博士の発明品は世間から評価されることと思います。これであのボール噴出ベルトと伸縮サスペンダーを世間が評価しないなら、世間の目は節穴過ぎます。
……とまぁ、コナン映画なのでトンデモ設定はありますが、それよりもリアルで緊迫感のあるストーリーが存分に楽しめました。