茶一郎

真実の穴の茶一郎のレビュー・感想・評価

真実の穴(2021年製作の映画)
2.8
 母親が交通事故から意識不明の重体に。主人公と弟を迎えに来たのは初めて出会う祖父・祖母を名乗る人物。彼らの実家(らしい)に行き……という『ヴィジット』的展開から開幕し、その実家の壁に空いた「穴」をめぐり一悶着起こるタイのホラー。 
 「穴」を覗くと顔面真っ黒の少女がいて「ナニコレ」状態になっている中、祖父と祖母は「穴なんかない」と言い張る。「穴がある」「いや穴なんかない!」「穴あるよ!何で見えないの!」「穴なんかない!」と口論が始まった瞬間には流石に笑いが止まらなくなってしまった。『裏窓』、『血を吸うカメラ』しかり「覗く」「見る」というアクションが映画というメディアに適しているのは言うまでもなく、でも本作は「覗く」という行為の前提に議論が生じるヘンテコっぷりで、逆に面白い。
 主人公周りの「盗撮騒動」もおそらくこの「覗く」に繋げたいんだろうが、全く有機的に絡んでくれない!全部カットでお願いします編集さん!
 全体的に要素詰め込みすぎ。逆に愛おしくて好きかも。
茶一郎

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