健一

百花の健一のレビュー・感想・評価

百花(2022年製作の映画)
2.8
いろいろな 花が 咲き乱れる こと。

1998年。原田美枝子さん主演の東宝映画「愛を乞うひと」は私が映画館で最も大号泣した作品。😭
その原田美枝子さんの東宝映画の主演作ということで期待して劇場へ。

波瀾万丈な人生と償い切れない重い過去を背負い生きてきた『母』が認知症に。
その時、息子は母とどう向き合えばいいのか。
同時に息子も愛する人との間に新たな命を授かり『父』になろうとしていた・・・

私は本作の監督の 川村元気 という方をあまりよく知らない。
プロデューサー?小説家?脚本家?
本作が監督デビュー作でいいのかな?
自ら書いた原作を自ら脚本、監督したということで。

結論から言います。
全く涙が出てこなかった。
衝撃的なシーンや感動的なシーンが無いとは言わない。
本作も決して つまらないワケではなかった。
ただ。
エディ・マーフィーの「ハーレム・ナイト」のように
桑田佳祐の「稲村ジェーン」のように。
もうこの人は監督という職業から手を引いたほうがいいと思う。

技術的な面では素晴らしい作品だと思う。
感情を途切れさせないようなロングショットの数々、
『どうやって撮影したの?』と思わせるような現在と過去を入り混ぜた認知症の方が脳裏に描く日常風景。
カメラは主要キャスト達の後ろに周りキャストは『背中』で物語を語る。
まるでヨーロッパの作品を観ているような感覚に陥る。
このような『技法』は確かにすごかった。
しかし
菅田将暉、長澤まさみ、原田美枝子という、各年代を代表するベテラン俳優たちをキャスティングして安心したせいか『役への演出』がまるでなってない。
『あなたたちは凄い俳優だから勝手にやって(演じて)』って 突き放しているよう。
なので作品自体がとても 渇いている。
なので
涙腺ゆるゆる な私が泣かないし、深く感動しないし、何も心に残らない。
申し訳ないが、これは完全に監督のマスターベーション映画。
題材もキャストも素晴らしいのに なんとも もったいない作品。

『半分の花火』の意味もすぐ分かったし。
なんで息子がそれに気付かないのか?
「百花」というタイトルの意味も心に響かない。
いや。何も心に響かない。 残念。



2022年 9月9日 公開初日 8:25〜
イオンシネマ板橋screen 10
💺274席
客入り(感染対策で70%の収容)60人前後。

久々のイオンシネマ板橋。
今でも感染対策で座席をひとつ空けてお客さんを座らせているんですね!
逆になんか 懐かしい。😅

最寄りの駅(東武練馬駅)からシネコンまで歩いている最中にポケットティッシュをもらった。
おぉぉぉー!
街中でティッシュをもらうなんて何年ぶりだろ!😂

鑑賞後、出社。🚶‍♂️
健一

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