このレビューはネタバレを含みます
映画館で観てきました。
川村元気さんの作品で
「世界から猫が消えたなら」
大好きな作品で、この映画から健くん好きになったし、今回は菅田くんが主役と聞いて楽しみでしかなく、期待値もかなり高かったせいか、ちょっと思ってた内容と違ってた。
え?ん?あれ?みたいな。
なんか肩透かしを食わされたみたいな。
菅田くん、完全に原田美枝子さんに喰われてた。
これは もう原田美枝子さんの作品と言っても過言ではない。
冒頭のピアノを弾いてると誰かが来て、出てみると自分で、みたいなシーンや、同じことが何回も起こって 何回も卵買って 居もしない男を追いかけて店を出てしまい 万引きと間違えられたシーンとか「ファーザー」ぽい感じがした。
私の母も若年性アルツハイマーで、今はすっかり私のことは忘れてるけど、認知症って ここまで頭の中が混乱するものなのかな?という印象。
もちろん一人一人 症状は違うだろうけど、ヘルパーさんに「ご飯くらい好きに食べさせてよ」と部屋に入ると そこは学校で 幼い息子が走れメロスを朗読してる。警察に保護されると そんな息子の自慢話しをする。
観てる方(私)も混乱して 頭も気持ちもついていかない。
そこに男と駆け落ちして、ネグレクト。阪神淡路大震災?
ちょっと詰め込み過ぎ感が半端ない。
母親の日記がわりの手帳をみて、吐いてしまうほど嫌悪している母親と少しずつ向き合ってく息子。
お医者さんに「敬意を持って接してください」と言われ 頑張るけど やっぱり本音が出て どなりつけてしまうと、母親は「あなた誰?」と。
そもそも相手役 長澤まさみでよかったん?
なんかお姉さんみたいにしか見えなくて(姉さん女房?)
夫婦って感じがしなかった。
「半分の花火」もググってすぐ見つかって、え?って思ったけど、あれじゃなかったのね。
(半分の花火が水に映って丸くなるなんて素晴らしい!)
私の母親も毒親で、男と駆け落ちはしなかったけど、仕事人間でほぼネグレクト、ヤングケアラーな小学生時代だった。
今でも嫌悪感はあるけど、親は親で、親に感謝する気持ちや 大人になって理解できた部分はある。
だから、最後の本当の「半分の花火」をみて、本当はお母さんのことが好きで、沢山あった思い出を思い出した場面では うるっときた。
でも、あとは始終 戸惑う感じで 置いてけぼりだった。
もう少し丁寧に母親と息子の関係や心理的な部分を描いて欲しかったな。
それにしても、原田美枝子は凄い!若い時から最後まで、化粧でやったとしても、あそこまで演じわけられるとは。
過去の妄想から現実に戻った時の皺だらけの顔がリアル。
あれを隠さずに出せるって、女優魂を感じた。
朝ドラのオーナー役とは 全然 違う。凄い俳優さんだと思った。
結局 駆け落ちした永瀬は、また別に女作って帰ってこなくなったの?不倫で、妻のもとに戻ったの?どっちにしても最低だけど、そういう役がよく似合う。
思ってたのとは違ってたっていうのは、菅田くん(泉)の話しよりも原田美枝子がメインだったからかな。
いや、原田美枝子さんの映画としては凄いと思うけど、菅田くんメインを期待しちゃってたんだよね。
菅田くんの鼻筋が通った顔をアップで見れただけで、よしとするか。
そういえば、泉(菅田くん)の喋り方?イントネーション?
なんか違和感あった。
「糸」の時の喋り方に似てた。
わざと、カタコトっぽく喋ってるのかな?
もとからあんな喋り方だっけ?