このレビューはネタバレを含みます
過去と、現在が入り混じる。
母さん!の叫びが母さんには届かない。
過去も、現在も。お互いに違和感が常に付き纏う。
そして、だんだんに母さんの壊れ方が進んでいく、
原田美枝子さんの演技はリアルすぎて、怖い。
本当なの? いや、ホラーじゃないぞ、と言い聞かせながら観る。
認知症は、人の表情を無くしていく、感情を歪めていく、
その中で長澤まさみさんの演じる百合子が自然体でホッとする。
震災の音と映像に身体を固くする。
突然のショック。
映画全編で、音質の硬さが心をえぐる気がする。
セリフが届きすぎる。
半分の花火、を思い出した時には母は、忘れている。
花を切らさないことで、記憶を保とうとしていたのか。
親子でもどうしようもないんだな。
混乱してしまった頭で、なんか、泣けず、怖さがまとわりついた時間になった。