百花の浜一のネタバレレビュー・内容・結末

・認知症患者の混乱して見える世界を可視化した映像表現が興味深い。実際の患者さんがこう見えているのかは判らないが、我々から見ると奇妙に見えてしまうその行動も理由があるというか、こうやって混乱してしまうのだなと感じることができた。
・主人公が母の寝室で母の手帳を見つける直前、ベッドの枕元に置かれていた認知症についての医学書。そして本に挟まれていた幾つものメモ。そこには「卵を買いすぎない」や自分の名前と生年月日等が綴られていた。恐らく母は症状が斑で現れる中で、自らの症状を自覚して不安に感じ医学書を手にしたに違いない。そして少しでも症状に抗おうとメモ書きをしていた。息子にも誰にも何も告げずに。姿を想像してしまって涙が出てしまった。