No.1622 2022年 監督:川村元気
「4月になれば彼女は」が公開間近の川村元気監督作品。
この邦題にはどうしてもときめいてしまう。なんの関係もないのかもしれないが、我々の世代、一部の人には忘れられない曲なのだ。この曲で何人スリーフィンガーを覚えたろう⁈
ちょっと前の邦画の話題作を全部見てしまおうと、この作品もclipしていたが、気がつくと、もう2年前の映画なのか。時の流れるのは早い。
百合子(原田美枝子)は女手1つで一人息子泉(菅田将暉)を育ててきたが、二人の間は、何故かギクシャクしている。そんなある日、母の認知症が判明する。徐々に記憶を失っていく中で、母は半分の花火が見たいと不可解な言葉を口にする。
原田美枝子、菅田将暉、それに長澤まさみの豪華共演で、当時ずいぶん話題になったと記憶している。コマーシャルもずいぶんやっていた。
私は、早くに母を亡くしたこともあって、母子物の映画には極めて弱い。涙腺をしっかり緩めて待っているような状態なのだ。ちょっとしたアニメでも泣いてしまう。そんな私が、全く泣かなかった。「そこまで来てた」とも言えないぐらい完全に乾いていた。
何故だろう?
菅田将暉はいつものように、それなりの演技をしているが、何故かこの映画で心に響く演技がない。
原田美枝子、堂々の主役映画だが、ピンと来ない。よくよく考えれば演技がそんなに上手くないのではないかと思えてくる。激しい役柄はできても、こんな静かな演技はできない。もしそうであれば、致命的かもしれない。
長澤まさみは、ただ出ているだけ。名前を出しただけで、全くいいところがない。彼女である必要性が全く感じられない。
評価は普通の3.5