渋いノワールドラマの劇場版として制作されたこの作品。ドラマシリーズで描かれた家族ドラマをこれでもかというぐらいフォーカスしていたので、凄く楽しめました。
このRay Donovanはハリウッドのフィクサーとしてセレブのゴタゴタを対象する主人公とその家族を軸にしているが、実際のところ彼と父親の愛憎劇である。勿論、家族というものは良いものだが、その反面呪いのように負の遺産が親から子へ受け継がれていく一面もある。このシリーズはこのように家族の持つ良い面、悪い面両方描いており、この点が私の思うこのシリーズが家族ドラマとして名作である理由である。
父親であるミッキーは傍からみてどうしようもないやつで居てるだけで、何かトラブルを持ってくる。しかし、本人は子どものためにと行動し、父を嫌う主人公を含めた子供たちに何かよいことをしようとする。このジレンマが見てる分には非常にグッとくるが、実際はもどかしく感じる親子関係だと思う。この劇場版でそのジレンマが解消されるのだが、ドラマを見ている分その瞬間の感動はとても言葉にできない。非常に感動しました。
ファイナルシーズンから主人公のオリジンとしてサウス・ボストンのネイバーフッドが描かれていたが、セットや衣装など気合いが入っていてよかった。この劇場版でも過去が描かれているが、懐かしい名前やドラマ本編で語られていた事件の真相などが明かされたのも劇場版ならではの楽しみでよかった。
見る前はあまり期待していなかったが、ドラマのフィナーレとしてこれ以上にない劇場版だったと思う。ありがとう、ドノヴァンファミリー。