姐

Francis(原題)の姐のレビュー・感想・評価

Francis(原題)(1950年製作の映画)
3.8
ユニバーサルがドナルド・オコナーを主役に据えて制作した「Francis」シリーズの1作目。
後年オコナー自身が出演にあまり乗り気ではなかったとか、Francisシリーズが影響してオコナーは他作品に出演できなかったとか、主演作!と手放しでは喜びにくい話もいくつか聞く本シリーズではあるけれども、それでもやっぱりオコナー主演のシリーズものが存在しているのは嬉しいことで。「Starring:Donald O'Connor」のクレジットだけで満面の笑みになってしまう。

喋るラバ・フランシスといまいち冴えない陸軍兵・スターリングことオコナーのコンビという特殊な設定に、ストーリーもコメディらしく快活にテンポよく進んでいくので、飽きずに観られた。オコナーのアップが多いのも嬉しい。表情の演技が特化して上手いのと顔も良いので、そこを押さない手はないですよね。眼福でした。

ただやっぱり、ユニバーサルが打ち出す「ドナルド・オコナー像」の結集という印象で、彼ならではのダンスやアクロバティックな動きはないです。オコナーの軽妙さは活かしていると言えなくもないけど、どうしてもフランシスの添えものポジションの感が否めない。その位置でこそ輝けるのがオコナーの魅力でもあるんですが…。

あと、若かりし頃のトニー・カーティスが出演しています。当時はアンソニー・カーティスの名義らしく、ちゃんとエンドロールにも名前がある!
私が見つけられたのは前半に一瞬だけだったけど、もう少し出ていたのかなあ。
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