カレーをたべるしばいぬ

パイナルファンタジーのカレーをたべるしばいぬのレビュー・感想・評価

パイナルファンタジー(2013年製作の映画)
1.4
Z級邦画。安っぽいAVが崩れたような形をしている。多分Vシネマ…だよね?

貧乳のせいで婚約を破棄された主人公は、ODで生死の境を彷徨う。モンスターを倒すと願いが叶う、無間の森と呼ばれる三途の川的な場所で目覚め、戦闘に勝利するごとにバスト(レベル)アップする。最終的には、巨乳より大切なものに気づいて現世に帰ろうとする。

何を言ってる?

勇者ヨシヒコのある1エピソードに出てきそうなプロット(劇中もそんなような雰囲気が漂う)だが、テンポと役者の演技力が月と鼈である。あと表現面でも地上波では厳しい部分が多い。

グラビアの撮影シーン、普通に芸人がコントを始める、キモめのオッサンが出会い系サイトの体験談を早口で話し始めるなど、ファンタジーな世界観から逸脱することで奇抜に面白い展開も多少はある。
ただ、エロでいくのか、ファンタジーでいくのか、コメディなのか。軸がなく、どれでもないグラつき加減が煮え切らない。
パッとストーリーを聞いただけでも、最後はとんでもない巨乳になってムフフみたいなことを期待するのが自然かと思うが、バストアップの演出は全て使いまわしで、見た目的にも何が変わったのかよく分からない。ポロリもない。流石に怖かったのか、ファイナルファンタジー要素は本当に微々たるもの。


必ずしもすべての映画が、スタッフや作品の大成を狙って制作されたわけではないかもしれない。
その映画がヒットする以外に、何か別の目的があって制作されたものがあるのかもしれない。
この映画を観て、そんなようなことを思いました。
何かお金の問題とか、この人を出した映画を出さないといけなかったとか、当時特定の層にバチ刺さりしていたとか、何かの特典映像的立ち位置だったとか。それに、少なくともこの映画が制作された当時はアマプラのような場所でオンデマンド配信されることは想定されていなかったであろう。

桜塚やっくんと超新塾が、芸風を崩さないそのままの形で出てきます。というか劇中の役名までそのまま。そこが一番面白いかもしれない。

凄まじい棒読みと細部を気にしない撮影風景がクセになる点、ジンガイラのようなカルト的魅力を感じてしまう点、そこまでカメラワークが悪くない点、得も言われぬ悔しさを感じる。
エログロナンセンスは、かようなクオリティでも何となく観れてしまう。

どうでもいいけど、アマプラの概要欄ではシプロスがキプロスに誤植されている。急に地中海。ちなみにシプロスは劇中の固有名詞だが、何なのかは最後まで判然としない。