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向田理髪店のnanaのレビュー・感想・評価

向田理髪店(2022年製作の映画)
3.6

キャストの演技力と演出でところどころクスリと笑う。
穏やかで温かい作品でした。


動かないもの
変わらない街

大牟田の田舎町。
地道にコツコツ一人息子を育てあげ、夫婦2人で営む向田理髪店💈

静かで穏やか。
でもそんな街は退屈で過疎化している。

若者は都会に出て行き、残った者は「あの時…」なんていう思いをいつまでも持ち続ける。

都会に出た理髪店の息子(白洲迅)。
田舎で親父の店を継ぎ、カフェを併設して…なんて若者らしい夢を持ち戻って来る。

簡単には行かない事、街の現実と大人の分別で父親(高橋克実)とぶつかり合う。

この家族の母親役の富田靖子さんがふわぁっとしていてとてもいい。

この両親だからこの息子が出来て来たんだな、と思う優しい家族。

町興しと発展。
良い事だけれど穏やかな人達には欲が無く若者には希望がある。

町が映画の舞台になり都会から有名俳優達がやって来た事でまわり始める新しい風。

経験のない事が入り込む事でみんなが成長して行く。

勝手でもワガママでも無い、和昌の夢は一生懸命で素敵だった。

高橋克実さんのアップが「何かに似てる?」と思ったけど、性格のいい里芋がコロコロ笑っているのに似てる。里芋が笑ってるの見たこと無いけどwww

ひたむきでゆったり育てられた性格の良さが滲んだ和昌役が白洲迅さんにぴったり。

悪い人が1人も出てこない。
置かれた環境で身近な夢を追う、お互いを思いあう優しい映画でした。

ほっこりほのぼのしたい方にオススメです🤗






~~~公開記念舞台挨拶~~~



本作で初上映後の舞台挨拶。


森岡利行監督
たくさん映画が公開されている中でこの作品を選んでくださって嬉しい。
福岡は場所によって方言が全然違う。
出演者に出身者がいたので方言指導をお願いした。
この作品は現実問題がたくさん入っている。


白洲迅さん
カズマサは凄いバイタリティーのある男。そして1人っ子の甘やかされて育った所がある。
台本を読んで「戻るんかいっ!」と思った。
カズマサはまだまだ定まっていない。
赤い海の母ちゃんの迫真の演技と床屋の前で親父と母ちゃんがお茶してるシーンが好き。


芦川誠さん
スナックのシーンが好き。実際にキャバクラよりスナックが好き。
同世代の俳優さんが多くて楽しかった。


鈴木大樹さん
克実さんと迅くんの土砂降りのシーンが好き。熱い。
寒かったので筧さんのノースリーブの女優魂は凄い。
板尾創路さんに本当の父親にぶつかって行く気持ちでやらせてもらった。



登壇者は和気あいあい。
白洲迅さんの堂々としたトークが印象的でした。



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このシアターは初めて。

「行けなくなったからnanaちゃんにチケットあげるよ」という友人からのLINEで1人でお出かけしたのですが…😥
土地勘が無く、まずはあるカフェを目指すもNAVIも地図も苦手な私は場所が解らず💦

ちょうどこちらを見ている方がいたので
「ここに行きたいんですが👶」
「あ、僕も地元じゃないんですけど👦」
と言いいながらスマホのナビから丁寧に道順を説明してもらいました。
お礼を言って向かおうとしたら
「心配だから送っていく👦」
と反対方向なのにお店まで送ってくれました。
優しい映画と優しい人との出会いで良い日でした😊
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