水の中の幽霊屋敷とは、舞台設定としてはとても面白いと思うんですが、映像がその斬新な設定を活かしきれてないというか。
心霊スポット巡りを題材とするYouTuberカップルが主人公って事で、POVを持ち込んだんでしょうけど、それでなくとも暗い、見辛い水中での動きにPOV映像なんか絡めるもんだから、正直何が起こってるのか全く把握できないシーンも多くて、恐怖感以前に状況が理解できない苛立ちの方が勝ります。
そうした事が主人公たちの心情の追体験になると考えたなら、的外れもいいとこですね。
舞台となる湖の底に沈んだ曰くありげな不気味な屋敷も、潜水したその場で遺留物を探索した範囲で、何となくヤバそうだって程度にしか描かれないので、今一つ深みを感じなくて、描かれる舞台の特殊性に反して窒息しそうな恐怖感に繋がりません。
そもそも“そこ”に導いた奴は(子孫だか生残りらしいけど)、何がしたくてそんな事をしてるのかも、さっぱり分かりません。
んで、ラスト。冒頭の伏線回収といえばそれまでですが、それはないんじゃない？って感じ。敢えてバッドにした所で、前述の様にバックグラウンドがモヤモヤしたままなので、次に繋がりそうな余韻もクソも…。
(画的には綺麗といえば綺麗ではありましたが。)
設定的な面で結構期待して観た分、評価は辛めになりました。
