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VORTEX ヴォルテックスのRiRiのレビュー・感想・評価

VORTEX ヴォルテックス(2021年製作の映画)
3.5
ギャスパ―・ノエの作品は体力とメンタルをごっそり持って行かれるとわかっているので、しっかりと体調を万全の状態にして気合を入れて見に行きました。
本作の最大の特徴は、全編画面が横に二分割されて、左右で同じ時間の別シーンを映しだすという手法かなと思います。初めて見た手法で、目新しさと見慣れなさで最初はかなり戸惑いましたが、進んでいくうちにだんだん違和感は感じなくなりました。
内容的には認知症を患う妻を支える心臓病を患う夫の老々介護というかなりヘビーなもので、死に向かっていく様が生々しく表現されていて、「そうなって欲しくない」と思うようなことがどんどん続き、見ていてかなりきついです。
ただ、そういうところがノエの作風の一つでもあると思っているので、やっぱり今回もしんどい映画だったなという感じでした。
個人的には、夫婦の断絶を二画面で表現するというのは、ちょっと安直すぎやしないかい?という気持ちもあり。片方が終わってしまった後の喪失感のようなものを際立たせるためかなと思ったけれど、そこに至るまでがなかなかに長く感じてしまいました。
また、映画監督であるアルジェントが俳優として出ているという点も見どころの一つでした。
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