カカヲ

VORTEX ヴォルテックスのカカヲのレビュー・感想・評価

VORTEX ヴォルテックス(2021年製作の映画)
3.9
死に向かい前進している。


監督/ギャスパー・ノエ

キャスト/ダリオ・アルジェント

何かある!
そう思わずにはいられないこの2人

老いと病
老いと死
監督の過去作品とは毛色の違う題材であったが、
彼が描くとこうなる。

三半規管が弱っていると
画面酔いしそうな2分割の映像

目線を分ける事で
2人の日常が継続して入ってくるため
息苦しさも継続する。
観ているうちに、
ちょっとした雑音でさえもイラっとしてしまった。

そこには愛を感じなかったし、
泣きもしなかった。

夫婦だが、他人
親子だが、疎遠

交わっているようで交わらない
愛しているのかさえもわからない

観ていてただただ無になる瞬間もあった。

リアルで切なく、
無情にもただ死に向かっていく。


激しい痛みと苦しみを伴って死ぬのか、
愛も憎しみも悲しみも心も無く死ぬのか、

どちらも恐怖でしかない。


後に、冒頭のメッセージが効いてくる。


この監督、
やっぱり好き!




【メモ】

Francoise Hardy
(フランソワーズ・アルディ)

『Mon Amie La Rose』

(1965)
カカヲ

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