ドキュメンタリーと思いそうになる。どの国でもこうのような問題は日に日に増している。この夫婦、仕事柄金銭面では困っていないだろうなと思うが、家は物に溢れ、一歩間違えればごみ屋敷になる。
片や心臓疾患、片や認知症。なぜナーシングホームの選択をしないのか。そりゃ住み慣れた家は居心地良いし時間は全て自分で管理できるもの。夫の方はなんとか日常生活はできるしね。
しかし危ない。ガスの不始末（老人あるあるらしい）、最新式ではなく、ライターで引火してるもの。ガス漏れでも自動に止まらないしサイレンだって鳴るわけない。
生死の尊厳は本当に真剣に考えなくてはならない。こんなにまでして生きたいか。この夫婦の場合は逝ったもん勝ちだろう。妻は時に正常になるのか。その時のその行為は夫婦にとっても息子にとってもホッとしただろうよ。
老害とは言わないが現実尊厳死の選択があっても良い。もちろん誰かの保護者やら養わなければならない立場、負債を抱えているなどじゃ不可能だが、どうみても誰も得しない。これは今ある、そしてすぐそこの未来への問題提起である。オゾンの「すべてうまくいきますように」も類似案件だが、あちらは至極きれーだったね。
G.ノエはより現実を描いていた。本当に傍観している時間はない。
